レビュー:「月刊少女野崎くん 10巻」あのメンバーは修学旅行でイチャラブできるか!?

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月刊少女野崎くん 10巻

相変わらずの漫画脳な主人公達、色気のまるでない水着回、イチャラブなイベントがあるかもしれない修学旅行、そして野崎くんに芽生えた気持ちなどなど、今まで同様ノリと勢いがたまらん笑いを誘う10巻です。

漫画脳で現代文を勉強するとこうなる

主人公・野崎梅太郎は夢野咲子という乙女チックなペンネームで活躍する、高校2年生の少女漫画家だ。繊細な心理描写と華やかな画面で大人気の作家で、乙女心を大切に描き、女の子の心の代弁者とも言われる。が、リアルな野崎くんはそんな繊細さの欠片もなく、初恋もまだで、微塵も女心がわからない鈍感極まりない男子高校生だ。なんで少女漫画家をやれてるのか謎すぎる。そしてなんで人気があるのか不思議すぎる。

そんな野崎くんは現代文が得意らしい。論文は作者の意見がはっきり書いてあるから面白いのだと言う。そして物語文は漫画にしてみるとわかりやすいのだとか。例えば、親友同士の男性A・Bは些細なことから仲違いし、数年たって溝は広がり、しかし最終的には和解する。それを少女漫画脳で変換すると、途端にBLちっくな展開が出来上がっていく。そんな余計なエピソードと説明を植え付けられた同級生達のテストの答えがおかしくなっても、仕方あるまい。

月刊少女野崎くん 10巻

先生も絶句する回答(10巻:15ページより引用)

おそるべし、少女漫画脳。先生もどう評価したものか悩まざるを得ない。いや、逆に悩まないかもしれないが。

演技課題が捗るプール回

演劇部所属の部長である堀政行先輩(男子)と鹿島遊(女子)。最近堀先輩から姑が嫁を見る目で見られる鹿島。2人はとても仲が良く、お互い好意も抱いている(らしい)と言うのに、何故だかまったく恋愛要素に発展しない。嫁と姑の関係(片方男だが)ではなく異性として意識するようにさせたい、堀先輩の動揺するところを見てみたいということで、野崎くんはプールに誘うことを、友人であり漫画アシスタントの同級生・御子柴に提案する。

そしてプールに行った野崎・御子柴・堀先輩・鹿島の4人だったが、堀先輩には早々に企みがバレてしまう。しかし後輩の期待をあっさり裏切るのも心苦しい堀先輩は、しかたなく乗ってやることに。ここからすっかりお題気分で演技する堀先輩と、先輩が演技しているからと一緒に乗って演技する鹿島が出来上がる。野崎くんと御子柴のたくらみ意味なし。

月刊少女野崎くん 10巻

即興劇状態(10巻:27ページより引用)

積み重ねた習性とは実に恐ろしい。それにしてもせっかくのプール回なのに、当然のように水着萌えなんてない。おかしい……ここには女が1人いるというのに。

修学旅行は準備が大事

高校生イベントの花形・修学旅行。数人のグループになって班ごとに自由時間に行く場所について話し合う。野崎くんに恋する乙女である佐倉千代は、班のスケジュールを別クラスの野崎くんに全て合わせようとする。軽くドン引くレベルである。

千代が野崎くんのスケジュールをなんとか把握しようと模索する中、たまたま廊下で野崎くんが自由行動の行き先について仲間と揉めていたところを発見。

月刊少女野崎くん 10巻

あなたとならどんな場所でも……(10巻:57ページより引用)

野崎くんと一緒にいられるならどんな場所でも幸せと考える千代だったが、予定表を見せてもらった瞬間に考え直したようだ。仮に2人きりで旅行に行くなら、このスケジュールでも良かったかもしれない。だが今回は修学旅行であり団体行動だ。さすがの千代も空気を読んだか。

もはや野崎くんは、この修学旅行を利用して漫画に使える資料集めがしたいとしか思っていない。いろんなポーズ・シチュエーション・人物抜きの建物などの写真が欲しいのだ。だから少女漫画家してはデートスポットに行きたいし、カップルに人気のありそうな場所に行きたいわけだ。そりゃ却下されるのも仕方がない。

修学旅行といえば夜のお約束

修学旅行の夜のお約束と言えば、まずは怪談話。それからコイバナ。そしてそんな話を皆でしている中、見回りの先生が怒鳴りながらドアを開け、一斉に布団をかぶって寝たフリをする……までが一連の流れだろうか。

当然の如く、野崎くんはそんな様々なシチュエーションを資料のために望んでいる。時には修学旅行らしいことを演出するまでに。

月刊少女野崎くん 10巻

万能な演技派・鹿島(1巻:77ページより引用)

演出するには、何でも出来て何でもあっさりとやってくれる鹿島がいれば問題ない。ただそんな万能な友であっても、布団をかぶって先生から隠れる場面になると、問題が発生する。鹿島は女ではあるが、男役しか出来ないからだ。どんなペアを組んだところで、野崎くんの納得するような隠れ方は出来ないだろう。

月刊少女野崎くん 10巻

望んでいないシチュエーション(10巻:80ページより引用)

野崎くんに生まれた気持ち

待望の自由行動の日、しっかり予定通りに野崎くんと一緒に行動していた千代だが、途中ではぐれてしまう。さすがの野崎くんも、今頃不安で半泣きなんじゃないかとか、中学生の集団に巻き込まれたのかもしれないとか、どこかに入り込んで出られなくなっているかもしれないとか、千代をかなり心配する。ここで、何だか今までの野崎くんらしくないぞ? と気が付くだろう。千代のことをそんなに心配するなんて、とうとう恋愛心が芽生えたか!?

月刊少女野崎くん 10巻

野崎くんの千代に対する気持ち(1巻:77ページより引用)

さすが恋愛脳が死んでる野崎くんと鹿島。心配な気持ちは恋愛ではなく母性ときた。いや確かにね、母が子を心配する感じにも似てるけど、男子が女子を危なっかしくてほっとけないと思う気持ちはそれとは別……なはず?

相変わらずのノリと勢いでギャグるこの4コマ漫画は、2桁の巻数になってもまだ飽きが来ないほど楽しめる。野崎くんと千代、そして堀先輩と鹿島に今後恋愛が発展することはあるのか!? 個人的には発展なんてなくても全然かまわないけど、あくまでも野崎くんには少女漫画家としての矜持を失ってほしくないなぁと思う。

月刊少女野崎くん 10巻
著者:
椿いづみ
価格:
¥ 607
ポイント:
6pt
レビュー:
4.5/5
出版社:
スクウェア・エニックス
内容紹介:
青春の一大イベント修学旅行!! 恋する乙女「佐倉千代」は「野崎梅太郎」の予定を入念に調べていざ出発♪ その甲斐あってか旅先で、千代と野崎は二人っきりに…。そこで野崎に初めての感情が芽生えます。「若松博隆…