レビュー:「ピヨ子と魔界町の姫さま 1巻」ぶっ飛んだ思考と行動力を持つ二人の日本だけど異世界な交友録をゆるぎなく応援したい

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ピヨ子と魔界町の姫さま 1巻

日本に住みながら、ファンタジーな世界があると知ったら。そりゃまぁ、喜んで行くよね。当方、ファンタジー脳ですしおすし。そんなファンタジーに憧れているからこそ、人は妄想が止まらないのだし、それ系の漫画、小説、映画は永久に不滅なのだと思わせてくれるのです。だって、キャラクターからすれば“日常”であったとしても、それを知らない人たちにとっては“非日常”なのだから……。

誰が何を言おうと、交友録である

「ピヨ子と魔界町の姫さま」の舞台は、日本にあるけど日本とは違う“魔界町”。そこでファンタジーな種族に囲まれながら、“魔界”にできたコンビニフランチャイズ1号店を自分の家として暮らす“平凡”な女子高生「田中ひよ子(通称ピヨ子)」と、魔界のやんごとなき身分である「姫」との交友を描いた日常系ギャグ漫画。

それでいて、“平凡”な女子高生の「田中ひよ子(通称ピヨ子)」は平凡じゃない思考をしているし、やんごとなき身分である「姫」は清く正しくズレている。誤解を恐れずにいえば、ヤバイ奴らが手を組んでしまったような印象さえ覚える。“交友の物語”というだけの事はあり、二人こそがこの漫画を最高に楽しめるモノとしている部分だ。

なので、1巻はキャラクターについてスポットを当てておきたい。

平凡だけど平凡じゃない主人公「田中ひよ子(通称ピヨ子)」

主人公「田中ひよ子(通称ピヨ子)」は、物語の語り部であり、進行役であり、最重要キャラの一人だ。本人は“平凡”を謳っているし、イジメっ子には“魂の服従”を誓うくらいには下っ端思考ではある。だが、その思考と行動は“平凡”からかけ離れたところにある。

いち例として、魔界町の高貴なる「姫」さまと親しくしている事を疎まれて、学校のトイレに呼び出されたピヨ子。そして、身の程をわきまえろと注意を受けたピヨ子が取った行動は、レスリング選手もびっくりするくらい華麗なタックルからの“靴舐め”である。

1話目の段階では、ピヨ子の思考と行動はそこまでぶっ飛んだ感はないが、2話目でコレなので“ヤバイ”キャラ認定をしても問題はないだろう。“魔界だから常識が少しズレている”とかそういう問題じゃない、と思い知らしめてくれるのだ。

凄く高貴なのに“ズレ”と“一般”感がすごい「姫」さま

主人公「田中ひよ子(通称ピヨ子)」と双璧をなすもう一人の最重要キャラこと「姫」さま。高貴な存在なのに、スウェット姿でママチャリを華麗に操りながら、ピヨ子の家でもあるコンビニの常連としてスタイリッシュに登場する。恐らく、スウェットをスタイリッシュに着こなせる数少ないキャラクターの一人だろう。家でもスウェット姿という庶民感満載なのも見逃せない。

また、お菓子について熱く語る様は、凄くクレイジーだ。高貴なテイストなのに“ズレ”ていると評するしかないような気がする。ぜんっぜん関係ない話だけど、こんなわけのわからないテイストなのにそれを理解し許可を出したブルボンさんのお菓子は僕個人も大好きなので、ぜひ今後もブルボン推しでお願いします。

なにかとズレている「姫」さまだが、ちゃんと締めるところは締めてくれる。極稀に、ちゃんと良い人を演出するあたりも、流石は高貴なる存在と言わざるをえない。いやまぁ、その話の前段階からしてぶっ飛んでいるので、そう見えるだけかもしれないけど……。

周りの思った以上に「普通」な人たち

「田中ひよ子(通称ピヨ子)」と「姫」さまがクレイジーキャラクターなら、その周りを固めるのは至って「普通」な魔界の住人たち。「田中ひよ子(通称ピヨ子)」に絡んでしまったが故に、その後も散々な目にあってしまう龍族の「龍造寺」さんや、生徒会長である吸血鬼の「吊川このみ」など。彼女らは性格や思考に多少の善悪はあれど、クレイジーキャラな2人に比べれば全然カワイイモノである。

主役級二人がぶっ飛んでいるからこそ、他の人たちは普通なのだと思い知らされるし、むしろ僕らの思考は極めてこの「普通の魔界の住人」に近いモノがある。そのギャップこそ、この漫画を楽しめるモノにしているし、なんだかんだと周りのキャラクターもしっかり立っている気にはさせてくれる。今後も、ジワジワとキャラを増やして欲しいと願わずにはいられない。

ゆるぎない信念で応援します

再度言うが、この物語はピヨ子と姫さまの交友録だ。交友録ではあるのだけれども、一見まともそうな二人が実はクレイジーキャラで、周りのキャラクターたちが思った以上にまともである、というタイプの内容になる。そして、このぶっ飛んだ行動はシンプルに面白い。それでいて、1巻の段階では1話完結のスタイルを取っているので、ギャグ漫画として非常に読みやすいのも特徴だ。

ただし、そのヤバイ二人のキャラクターの方向性がしっかりと立っているがために、稀に顔を見せる鬼畜さや腹黒さが合わないという人もいるかもしれない。そこは、“日本ではなく魔界というファンタジーなのだ”と思えば万事解決するところでもある。いや、人間である「田中ひよ子」がヤバイというのはいささかアレでもあるのだけれど、魔界に馴染める人間だし。うん、そう解釈するのが一番良いと思う。

ともあれ、僕自身は二人のファンになったのは間違いないことであり、次巻が楽しみな日常系シュールギャグ漫画が誕生したと本気で思っている。今から次は何をやらかしてくれるのか、期待せずにはいられない。当ブログは、ゆるぎない信念で「ピヨ子と魔界町の姫さま」を応援し続けていく所存であります。