レビュー:「転生したらスライムだった件 11巻」子供達の救済、ミョルマイルさんとの邂逅、そして新たな魔王らしくない魔王との出会い

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転生したらスライムだった件 11巻

異世界へと不完全召喚された子供は、体内の魔素を安定させる事ができずそのほとんどが5年以内に死んでしまう事を知ったリムル。亡きシズはそれを解決しようとしていたと理解し、シズの心残りだった子供たちを救うためにイングラシア王国で子供たちの先生になる。11巻は、その子供たちが中心のお話。

子供たちのための精霊

リムルは大賢者の推論により、シズがイフリートと融合していたように上位精霊を子供たちに宿せば魔素を制御できる可能性がある事を知った。そしてテンペストへ一時帰国した際、上位精霊を子供たちに宿せる考えをトレイニーから良い案だと聞かされるも、上位精霊は気まぐれである事を知らされる。

また、精霊女王の統べる別次元の場所“精霊の棲家”の存在を教えられるが、トレイニー自身は現精霊女王との接点がないため取り次ぐことができないと言われてしまった。しかし、リムルは自分がやろうとしていることが間違っていなかったと確信する。

その後、イングラシア王国へ戻り子供たちと野外授業をしていたところ、王都が天空竜の襲撃を受ける。そして、その襲撃の際にリムルが助けたのはブルムンドの大商人“ミョルマイル”だった。……今回一番カッコイイおっさんなはず!

善良で強かな大商人

ミョルマイルさん、このおっちゃんは本当にカッコイイ。天空竜の襲撃で重傷を負った母親と泣きすがる子を見つけると、商人として買い付けたハイポーション(テンペスト産)をぶっかける。そしてその効果のすごさを実感する。しかし、その直後背後を天空竜に取られてしまった。

しかしてミョルマイルさん、自分の取るべき行動と運の良さを信じて行動に出る事ができる稀有なおっちゃんだ。例え背後を取られても母子を逃がし、ハイポーションの効果を知ったが故の商機を前にして自分が死ぬわけないと思える商人らしい強者。そして、しっかりとリムルが助けミョルマイルさんは邂逅を果たすことになる。

天空竜襲撃の後、ミョルマイルから高級酒処に招待を受けたリムルは、“テンペストの盟主であるリムルとお近づきになれた”というミョルマイルの商人らしい率直な言葉に笑顔で応じる。その後、その店でかつてドワーフ王国で占ってくれたダークエルフのお姉さんと遭遇。なんと、そのお姉さんは場所がわからないとされている“精霊の棲家”を知っていたという展開だ。ミョルマイルさんといい、リムルといい、運に恵まれているというのはこういうことなのだろう。

魔王らしくない魔王の一人は精霊女王

子供たちを連れて“精霊の棲家”へ向かったリムル一行。そこで“試練”を称してゴーレムに襲われるが、リムルは一撃で消滅させてしまう。それをけしかけた妖精こそ、十大魔王がひとり“迷宮妖精”のラミリスだった。……しかして、ノリが軽い。

ある種強制とも言える形でリムルに協力することになったラミリスだが、実は精霊女王だった事が明らかになった。実はラミリスは転生と成長を繰り返す魔王で、今は成長するまでの弱い姿なのだが、本来は深い叡智を称えられた大物……らしい。本人曰く精霊女王が堕落して魔王になったという実にアレなキャラではあるが、ノリが軽いし仕方がないような気はする。

そして、魔王にして精霊女王であるラミリスの協力を得て子供たちに上位精霊を憑依させていくリムル。しかし、子供たちの中で唯一クロエだけが精霊じゃない何かが宿ってしまう。ラミリス曰く未来からきた何か、という事だが、これは今後の伏線の一つである事に違いはないだろう。

最後に、ラミリスへ協力の報酬として上位悪魔を召喚し、リムルの魔素と魔鋼で造った依り代を代価にラミリスの守護者として“魔将人形ベレッタ”が誕生。アニメではナレーションベースで省略されたところだけど、漫画ではしっかり保管されていて良かったという他ない部分の一つである。

次巻は“ヒナタ”登場か?

11巻の内容は概ね以上だが、やはりミョルマイルさんのかっこよさとラミリスの軽さ(?)が際立ったと言っていいだろう。特に戦う意志を見せるおっさんは、途方もなくカッコイイと言わざるを得ない。

これでシズの心残りを片付けたリムルだが、テンペストへ戻ることになるのだろう。その後は、シズの教え子であるヒナタ・サカグチとの出会いや魔王関連の話題などまだまだ話は続いていく。アニメの2期放送も決まった事だし(当分先だけど)、次巻はどこまで話を進めてくれるのかを楽しみに見守っておきたい。