レビュー:「とんでもスキルで異世界放浪メシ 2巻」お肉総菜盛り合わせでエライことになった

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とんでもスキルで異世界放浪メシ 2巻

異世界に転移してしまった主人公・ムコーダさんが、相棒フェルこと伝説の魔獣フェンリルと放浪をするお話の第2巻。この巻では元の世界のお肉総菜がいかにスゴイかということだったり、初めての魔法だったり、初めての詐欺だったり。そして2匹目となる仲魔スイは、ますますスキル・ネットスーパーにおいて必要不可欠な相棒となりそうだ。

フェルの稼ぎ

スキル・ネットスーパーで買い物をするには、お金が必要だ。お金を稼ぐには依頼をこなしたりモンスターを倒して素材を売ったりすればいい。だが、ムコーダさん1人の力だとせいぜい薬草採取の依頼しかできない。でも、我らがフェルなら高ランクの魔物を狩れる強さを持っている。

高ランクのモンスターを狩ってギルドに解体と買取を依頼してみれば、清算額はなんと金貨202枚。ムコーダさんの着ている上着が銀貨3枚で、肉団子5個のお惣菜が銅貨3枚だ。つまり大雑把に言って、1枚当たり銅は100円・銀は1000円・金は10000円くらいと予測できる。なんということでしょう、いきなりムコーダさんはフェルのご飯となる大量の肉と、202万円くらいの大金を手に入れたということだ。買い物したい放題!

元の世界のお肉総菜はステータス5割り増し

フェルのおかげで儲かったムコーダさんは、フェルに元の世界の食べ物をご馳走することに。202万も稼げば何でも買えるだろうけど、とにかく肉を所望される。そして早くしろと涎を垂らして待ちきれない様子のフェルのために、ハンバーグやメンチカツ、ソーセージや鶏のから揚げなど出来立てお惣菜の盛り合わせを購入。メインはなんと国産黒毛和牛ステーキ肉だ! 何とも羨ましい旅の食事である。

美味しい料理を堪能したフェルから、活力が漲ると言われて思い出す。そういえば、ネットスーパーで買った食材には様々な強化効果がついてしまうのだった。徐々に興奮してくるフェルを鑑定してみる。

魔物の肉を使うと大した効果もないけれど、全てをネットスーパーで調達してしまうと数字がドエライことになるらしい。体力や魔力といったステータスが5割増しなっているのだ。

力が漲るせいでじっとしてられないフェルはその晩、手あたり次第に狩りをする。オークの集落にかち合えば全滅させ、オーガを倒し、普段は手こずるキマイラを一撃で仕留めたとドヤ顔で報告するフェルが恐ろしいというか素晴らしいというか。いったい売ったら幾らになるんだろうか。当分お金にも食べ物にも困ることはないだろうな。

初めての魔法

ムコーダさんは異世界人だ。つまり魔法のない世界から来たわけなので、魔法の使い方はわからない。魔法を使ってみたいからと、フェルにご教授願ったのが運の尽きだった。

魔法は魔力があれば使える。魔法は使おうと思えば使える。魔力は体に巡らせる。言葉にするのは難しいから感じ取れ。と、感覚に訴えるやり方だ。後は本人の努力で何とかファイヤーボールを使えるようになったが、あまりにショボくてとても戦力にはなり得ない。

もうちょっとまともな魔法を打てるように、実践で慣らしてみてはとフェルから提案を受けるも、魔物と戦うのが怖いムコーダさんは愚痴をこぼしやる気がない。平和な世界から来てるんだから仕方がないが、フェルにしてみれば意気地のなさにイラっときてしまったらしい。

そしてムコーダさんはゴブリンの集落に放り込まれる羽目に。一度も戦ったことのない素人にスパルタもいいとこだ。

地図が欲しい

旅の必須アイテムである地図を、まだムコーダさんは手に入れていなかった。次に寄った大きな街で、今日こそはと地図を探し歩きまわる。食べ物屋・雑貨屋・工事現場の人達に話を聞いたり、本屋にも入ったが売っていない。

とりあえず酒場に入りこの国の情勢だけでも聞こうと、適当な人に声をかけ酒をおごる。こういう処世術はさすが元サラリーマン、慣れている。そこで今後行く国のあたりをつけたり、奴隷制度のことを聞いたりと、結構有力な情報を貰えたのではないだろうか。そして何とこの人達は、ムコーダさんがずっと欲しいと願っていた地図も持っていた。

交渉の末、地図を銀貨8枚で手に入れたムコーダさん。お酒も奢っているから、そこそこの金額を使っているわけだ。しかし念願の地図が手に入ったならよかったじゃないか。そう思っていたら、何故か周囲から嘲笑いが。

そう、銀貨1枚という安価で買える地図を、ぼったくられたのだ。冒険者ギルドで売ってると知っていれば……いや、今更後の祭りだが、せめて誰か教えてくれれば。そんなふうにも思うが、如何せんこの世界では騙される奴が悪い。世知辛いね……頑張れムコーダさん。

スライムのスイ

生まれて3日しか経っていないスライムと出会い、攻撃もせずにプルプルしているだけの魔物には、ヘタレムコーダさんもさすがに怖さはないらしい。餌をあげたいと言ったら、フェルからそこらの小石でも食べると教えてもらった。そこで思いついたのが、ずっとアイテムボックスに仕舞っていた異世界のゴミ。

そりゃ、何とかのタレとか使ってたら、入ってたボトルなどは全てそこらへんに捨てられないゴミだよね。塩や胡椒も貴重なこの世界じゃ、プラスチックやガラスなんてそうそう捨てられないし、そもそも人目についちゃいけない物だと思う。そんなゴミを全て引き受けてくれるスライムは素晴らしい。

スライムはムコーダさんに懐き、フェルに引き続き2匹目の従魔契約を結び、スイと名付けられた。これでもうゴミが増える心配もないわけだ。人間の仲間は1人もいないけど、実用性重視でなかなか良いパーティ構成になってきた気がする。お金はあるし食事は美味しくいただけるし、戦闘は問題ないしゴミ問題も解決。地図も手に入れたし、安全な国もおおよそ分かった。もう旅になんの不安もない気がするが……今後の出会いと料理が楽しみだ。